『超訳 ニーチェの言葉』生きる意味に迷った時に読みたい名言集

『超訳 ニーチェの言葉』生きる意味に迷った時に読みたい名言集

こんばんは、のまーふです。

 

『超訳 ニーチェの言葉 (エッセンシャル版)』という本を読みました。

このエッシェンシャル版というのは、2010年に刊行された『超訳 ニーチェの言葉』(無印版)から、190の言葉を厳選し再編集した文庫版(2015年発売)とのことです。

2010年の無印版の発売当時、かなり話題になっていたので知っている方も多いかもしれません。

かくいう私は、当時本屋で見かけてパラパラとめくってみたものの、あまりピンとこなかったので購入はしなかったクチです。

 

しかし先日、たまたま本屋で平置きされており、あらためてパラパラ(2回目)してみたところ、思いがけず物凄く感動してしまいました。

大学生だったあの時の私にはわからなかったけど、社会人になり、色々と生活に疑問を持ちながら働いている今読むと、めちゃくちゃ刺さる内容…!

なんとなく、「生きる意味」みたいなものを見失っている様に感じている人にお勧めしたいです。

前提:「ニーチェの哲学」を本格的に学びたい人には不向き

まず前提ですが、この本は題名にもある通り、『超訳』本です。

超訳とは:
“従来の原文尊重の英文和訳調を脱して,一度直訳調で訳したものを,日本の読者向けにさらになめらかな日本文に書き換えたということであるらしい。従来の翻訳と本質的にどこが違うのかとか,原文を恣意的に改変しているなどの批判もある”
コトバンクより抜粋) 

日本語としてわかりやすい形に書き換えられていて、ニーチェの言葉そのものを正確に伝えているとは限らないということですね。

私自身は哲学に造詣が深いわけではなのでわかりませんが、Amazonをみても「これはニーチェではない」というレビューもあるので、おそらく「ニーチェを学ぶ」上では不向きなんだろうと思われます。

自己啓発本としての『ニーチェの言葉』

ところがどっこい、専門的な「哲学書」には向いていなくても、一般人が生活の上で役立てるための「実用書」として読むには本当におすすめです。本の前書きにもあるのですが、もともとニーチェの思想は、理屈をこね回した様な難しい論理の話ではなく、生きている人間のための道徳として「生の哲学」と呼ばれているそう。

その説明通り、読むとハッとさせられ、生きることに熱意を感じさせてくれます。いわゆる「自己啓発本」ですね。

【内容チラ見せ】頭からすごい!!

ここから具体的な内容についても少し。

190の言葉が、全部で10章に分類されている構造なのですが、第1章『己について』の最初の言葉からもう凄いです。最初の言葉はこうです。(以下、引用)

 

はじめの一歩は自分への尊敬から

自分は大したことがない人間だなんて思ってはならない。それは、自分の行動や考え方をがんじがらめに縛ってしまうようなことだからだ。

そうではなく、最初に自分を尊敬することから始めよう。まだ何もしていない自分を、まだ実績のない自分を、人間として尊敬するんだ。

自分を尊敬すれば、悪いことなんてできなくなる。人間として軽蔑されるような行為をしなくなるものだ。(後略)”

 

 

…ハッとしませんか?

 

 

毎日会社に行って、タスクをこなし、それなりに面白いと思う様なことはあっても、理不尽なこともいっぱいあって、日々疲れは溜まっていって、土日はぐうたらと寝て過ごし、なんとか少し回復してまた会社に行ってーーー、なんか人生こんなんでいいのかなぁ?って思ったりすること、ありますよね。

 

そんな『大したことがない』自分を、『大したことがない人間だなんて思ってはならない』とニーチェは言います。

 

私、尊敬って、何か成し遂げたことに対して抱くものだと思っていました。

しかしニーチェ曰くそうではないんだと。尊敬が先にあるんだと。『まだ何もしていない自分を』『人間として尊敬するんだ』と。

なぜなら、自分を心から尊敬すれば、その尊敬に見合う行動を取れる人間になるからと。

 

凄い言葉だなぁと思います。まさにコペルニクス的転換。

『実績のない自分を尊敬する』なんて、考えたこともなかったし、とても難しいことの様にも思えるけど…同時に、「『自分を尊敬する』ことを選びさえすれば、行動が変わる」というのも確かに分かる気もします。

振り返ってみると、「自分」のことって、ついぞんざいに扱いがちだけど、確かにぞんざいに扱えば扱うほど、「自分」は消耗して疲れていくばっかりなんですよね。

自分で自分に敬意を持つ、すごく大事だなぁと思いました。

刺激的な思想を読みやすい形で届けてくれる本

そんな刺激的な最初の言葉から始まり、自分では考えてもみなかった考え方がバンバンと出てきて、何度も「コペルニクス的転回的な衝撃」を受けるこの本。その過激な内容を、とても「読みやすく」作られているところもお勧めポイントです。

というのも、1つの言葉が1ページずつにまとめられているという分かりやすい構成なので、言葉がスルスルと頭に入ってくるんです。

頭から通読せずとも、気が向いた時にパッと開いて、偶然開かれたページを読む、という読み方もできます。私は枕元に置いておき、寝る前にパラっと開いて読んでいるのですが、なんとなく次の日に明るい前向きな気持ちで動き出せる気がします。

自分の環境や心境の変化によって、前に読んだ時はあまりピンとこなかった言葉がグサッと刺さることもあったり。開くたびに発見のある面白い本ですね。

 

読んだことがない方は、本屋で見かけたらぜひパラパラしてみてほしいです。今のあなたに刺さる言葉が見つかるかもしれません。

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